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【1学年】生きる思想を育てる授業「高校現代文明論」

全国に設置されている14の付属高校では、東海大学の「建学の精神」にもとづいた教育が展開されています。その核となるのが「高校現代文明論」です。 創立者松前重義が大学の教壇で学生たちに講義した「現代文明論」を源とする「高校現代文明論」は私たちを取り巻く情勢のもとで「人生いかに生きるべきか」という問いを自らに発し続け、それぞれの人生観の土台をかたちづくることをめざした授業です。松前重義は『現代文明論』(東海大学出版会、1964年)の中で次のように述べています。 

大学を作り、人を育てようとする以上、文明ということについて、はっきりとした考えを持っていなければならない。また、大学において、学問を学び、明日の社会を担おうと志す学生は、文明とはどういうものか、社会がいかにあることが文明なのかということがわかっていなければならない。 

現代文明を、ただ単に、いわゆる“現代の目”で眺めていたのでは、『現代』ということも『文明』ということも、ついに理解できずに終わるであろう。現代の文明を理解しようとしたら、われわれは、それを人類の歴史の流れの中に把握することを忘れてはならないのである。大きな目で人類の歴史を眺めることによって、はじめて現代とは何か、文明とは何かということもわかってくるのである。 

人生いかにいきるべきか。社会に対する生存の義務を自覚し、それが基盤となって教育を受ける者でなくてはならない。従って、われわれの文明はいかにして築かれたのか、現代文明の抱える問題は何か、今後の思索の根本を与えるものとして、全ての学生に現代文明論の講義を課しているのであります。知識と技術のみの習得でなく、自ら得た学問と、歴史を支配する原則を把握し、その歴史観をとおし人生や世界について常に考え、現代に生きる人間として今、何をなすべきかを問いかけることが『現代文明論』の使命であります。 

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本日の「高校現代文明論」は、創立者の教育理念や学園がめざすところについてテキストの講読と解説を中心に行いました。「こんなに規模の大きい内容の濃い学園とは知らかった」と新入生。無理もありません。入学前にすべてを伝えきることは不可能ですから。