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【理数科】1年生が玉川大学学術研究所で農学の最前線を体感

6日、理数科グローバル&サイエンスコースの1年生が玉川大学・学術研究所(東京都町田市)を訪問し、農学研究についての知見を広めました。 

わが国のミツバチ研究の第一人者である小野正人所長による特別講義を受講しました。 

2050年には世界人口が約100億人に達すると予想されていますが、人口増加に対応できる効率的な食糧生産技術が必要となるうえ、持続可能なシステムを構築していかなければなりません。ミツバチをはじめとする受粉昆虫が植物生産の場で果たしている役割の大きさを痛感させられた講義内容でした。また、大学での学びをどう考えていくのかというテーマにも言及され、生徒たちも感慨深く耳を傾けていました。生徒の質問にも丁寧に対応する小野先生の姿に感動を覚えた生徒もおり、大学での学びに期待の火が付いた様子。 

次に、生物機能開発研究センターの福山太郎先生に解説いただきながら、未来型農業システム開発の研究拠点「Future Sci Tech Lab」を見学しました。1階に植物工場研究施設と宇宙農場ラボが設置されています。 

この施設では、独自に開発したダイレクト水冷システムによるハイパワー光半導体素子を光源とした野菜工場の開発やゲノム編集技術を用いた機能性作物の生産など、今世紀の地球的な課題である環境保全、人口増加に対応する食糧増産、また、それを可能にするエネルギーの安定供給などの諸問題を解決するための研究を行っています。 

LED光源を太陽の代わりとして、植物が必要とする栄養分を直接溶かし込んだ水による無農薬の水耕栽培を用い、レタス、チンゲンサイ、シソ、トマト、キュウリ、イチゴなどが試験栽培されています。レタスは数年前から都内のスーパーマーケットで販売されています。 

「小野先生と福山先生のお話で農業に対するイメージが、全く変わりました。人口増と食糧生産植物生産の保全、持続可能な農業研究という分野に、改めて興味を持ったので、今後は農学部進学についても考えていきたいと思います」と女子生徒。 

全員におみやげとして冷蔵庫で2週間保存できるというレタスをいただきました。 

引率した山田秀教諭は「今回、県外の大学施設での研修ということで、生徒たちは浮足立っていましたが、高校では絶対に体験できない研究施設にみな感動していました。1年生のうちから大学に行くことの意味を深く感じていなかった生徒も、今回の研修を通じて学問研究の意義や生き方について考える機会になったはずです」と、次の研修企画の立案に取り組んでいます。