ニュース詳細

【サイエンスコース】付属高校間のサイエンス交流 今年は房総で開催

18日から19日にかけて、本校と付属浦安高校・付属市原望洋高校の3校が互いの研究活動を通じて交流することを目的とした「Science Meeting」が開催されました。今年は南房総市を舞台として、「チバニアン」「ウミホタル」「ALDH2 遺伝子の変異解析」など、地質と生物を中心に共同調査・実験を実施しました。主な内容は次のとおり。
 
【8月18日】 房総半島の成り立ちと特徴を理解する
千葉県市原市の養老川沿いにある 77.4 万年前から 12.9 万年前までの期間の地層が「国際境界模式層断面とポイント(GSSP)」として 2020 年 1 月 15 日に日本で初めて認定され、国際地質科学連合により「チバニアン」と命名されました。「チバニアン」はラテン語で「千葉時代」を意味する語であり、地球の歴史を表す地質年代の区切りの目印とされ、地球の歴史を調べるうえで重要な地層として注目されています。河川の調査、生痕化石などを探す中で、ウニの化石を発見した生徒もいました。

【8月18日】ウミホタルの採集
夕刻、南房総市の「大房岬自然の家」に到着。開講式の後、市原望洋高校の加藤崇教諭による講義を受け、夕食をとりました。北条海岸桟橋)にてウミホタルの採集を行いました。
ウミホタルは、神秘的な青い光を放つ「発光生物」として有名です。体長は3mm ほどの小さな甲殻類で、分類上は「貝形虫綱」に属します。ミジンコに似た姿をしていますが、ミジンコは「鰓脚綱」であるので、綱のレベルでは別グループに属しています。青色発光は外敵に対する威嚇で、刺激を受けると盛んに発光し、オスの場合は求愛ディスプレイとしても発光します。
今回のウミホタルの採集では1人あたり20匹近く採れました。ちなみに、予備実験では条件が悪かったため、20人がかりで10匹程度の採集だったそうです。大成果です。

【8月19日】ALDH2 遺伝子の変異解析
木更津市にある「かずさDNA研究所」に移動し、遺伝子の本体である DNA の構造・はたらきかた、PCR 技術の知識、遺伝子工学を中心に学習しました。自身の口腔粘膜細胞を採取して DNA を取り出し、その DNA を材料にして、アルコール分解に関わる酵素(ALDH2)の遺伝子型を解析しました。DNAをALDH2遺伝子の多型解析PCR•アガロースゲル電気泳動という方法を用いて、アルコールに対して強い・普通・弱いを判別しました。
全員での記念撮影を終えて、かずさDNA研究所を出発し、茅野に向かいました。