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【1年理数科】情報端末と英語の学習

情報端末活用の研究に取り組む理数科1年生の担任の山田教諭の授業を拝見しました。 

教科書に沿ったレクチャーの後、iPadを使った個別最適化指導が始まりました。 

オーストラリアの小学校の授業風景から受けたショックが授業研究の原動力になっているそうです。 

 

◆何年も前のことですが、甥っ子が通っているオーストラリアの小学校を見学する機会があり、1年生から1人1台タブレットで学習し、子どもたちの活発な様子、それをサポートする教師とのコミュニケーション、いろんな場面でショックを受けました。当時、日本ではスマートホンやタブレットなどを学校に持ち込むことは、まだまだ絶対禁止か、許可制、あるいは利用の範囲は非常に限定されていました。今でも「ロクなことがない」と警戒する学校は少なくないと思います。 

「学習の個別最適化」という思想がなかなか理解されず、明治の開国以来の「学力アップ=集団一斉」という発想に縛られています。欧米を手本にした教育制度の設計段階で、肝心の教育観や人間観についての研究を怠ったからかもしれません。いわば「仏作って魂入れず」でずっと来ています。まあ、当時の日本の事情もありましたが。近年、少しずつ個別最適化のシステム開発が進んでいますが、「学習指導要領」が何度改訂されても、日本は教育環境において完全に遅れをとっていると痛感しましたね。人の発達についての考え方に基づいた教育観が更新される必要があります。 

文部科学省でも、昨年3月に個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実についての提言がなされましたので、その実現のためには当然ながら、スマホやiPadをなどデジタル情報端末の活用は、新しい学習指導要領に沿った、あるいは超えた教育を進めていく上で、不可欠です。 

今年度から入学時にiPadを購入していただいています。オンライン英会話に加え、豊富な問題数と講義動画を使って、授業の振り返りや学習の個別最適化、視覚的情報や資料を用いてのプレゼンテーションなどに活用しています。 

デジタル化のおかげで個別最適化が容易になりました。これまでにない量の学習データを収集・蓄積することができています。例えば、これまではノートを1から振り返らなければならなかったのが、蓄積されたデータを元に自分が過去に間違えた問題や苦手な単元にフォーカスして学習することができます。教師側も生徒の学習の理解度を把握でき、指導に活用することができます。 

生徒自身も「学習のふりかえり」の中で、「今まで以上に自分の学習を俯瞰的に見ることができている」「今まで何となく得意、苦手と感じていたことが、今でははっきりと数字でわかるようになった」「テストや模試に向けても漠然と学習するのではなく、目標を持って学習できている」と、比較的有効性を感じさせるコメントを残してくれています。 

貸与ではなく、個人所有ですから、卒業後、大学でもビジネスの場面でも活用できますし、まだまだ色々なことに使えそうです。授業だけでなく、部活、学校行事と、様々な活動に利用していきたいですね。 

 

◆動画はこちら → https://youtu.be/QDxejgJwfls